サモアの日記

日頃思う、自分の"こう思う"を書いていこうかな

海街diaryの"浅野すず"

"ダブルバインド"という言葉があります。日本語に直すと二重拘束という意味です。

例えば、上司の以下のような発言。

 

"自主的に行動しろ!"

 

この命令を聞かされた部下である私は、矛盾を抱える。

この上司の命令に従った場合、それは上司の言う"自主的"な行動にはならない。反対にこの命令に従わない場合、"~行動しろ!" と言われているのにそれに背くことになる。

 

このようなダブルバインドを受けた本人には精神的な苦痛が生じるといわれています。

 

僕はこのことで是枝裕和監督の映画「海街diary」の登場人物、浅野すずの発言を思い出します。(浅野すずの境遇は省略します)

 

"私がいるだけで傷ついてる人がいる。それが、ときどき苦しくなるんだよね"

 

これをダブルバインドの状態ととれば(人として生きていかなければならない。でも生きようとすると、そのこと自体に"傷つく人"がいる。)、その苦痛はすごく深いものなんだと想像します。

 

浅野すずの場合、ただ生まれてきた環境という本人が意図して選んだことではないゆえに、切ないのです。